あべ REGULUS
- 2019/05/13
- 17:57




あべ REGULUS
新潟県柏崎市の阿部酒造さんで醸されるお酒です。
ブログ的には2回目の登場です。
ネット上で見ても比較的評価が高い銘柄だと思います。
今年度より僕が通っている酒屋さんでも取り扱いが始まり、購入しやすくなりました。
今回頂くのは「REGULUS」。以前紹介したFOMALHAUTと同様スターシリーズのお酒ですね。
使用米は柏崎産五百万石78%、柏崎産越淡麗22%。
精米歩合の記載はありません。
酸度は4.0と高め、裏ラベルに記載はありませんが白麹を使用したお酒とのこと。
またこの「REGULUS」ですが、初期は「SPICA」として販売されていたようですが、商標の問題で商品名を変更したようです。
さてと…詳しいお酒の解説は他のブログ様がしてくれてますからね。僕は僕らしい解説をします!
そんなわけでフォーマルハウトに続き、星好きとしてレグルスの解説をさせていただきたいと思います。
レグルスは「しし座」のα星(α星=その星座で最も明るい天体。例外あり)であり、全天に21個存在する一等星の中の一つです。
春を代表する天体の一つではありますが、21の一等星の中では僕は「最も可哀想な天体」であると考えています。
まず明るさの面で一等星の中で21番目、つまりは「最も暗い一等星」なんです。
そしてさらに「春の大三角」に加え「春の大曲線」にもレグルスは含まれていません。
おおぐま座(北斗七星)を基点としてアルクトゥールス、スピカを経由しからす座までを結ぶ大曲線は仕方ないにしても、大三角にいたってはアルクトゥールスにスピカと繋がるのはしし座のβ星であるデネボラ(二等星)です。
つまり、スピカやアルクトゥールスと同じく春の一等星であるにも関わらず、一人仲間はずれにされている…夫婦星と呼ばれるスピカとアルクトゥールスに割り込むことはできなくても本来は友人程度の立ち位置になれるはずですが、その友人という位置すら自分の舎弟であるデネボラに取られてしまっているような状況です。
「秋の一つ星」の名を冠するフォーマルハウトのように孤高の一匹狼にもなれず、「夏の大三角」や「冬のダイヤモンド」を構成する一等星達のように纏まることもできない。なんとも可哀想…。
また「春の星座」の中では3つの一等星のうちの一つであるものの、実際に春に空を見上げる際には早い時間であればふたご座のカストルとポルックスさらにぎょしゃ座のカペラやこいぬ座のプロキオン、遅い時間であれば夏の大三角で有名なベガやデネブに加えさそり座のアンタレスまで見えてしまうため、正直言ってその中ではレグルスは眼鏡で黒髪おさげで引っ込み思案な女の子くらいに地味です。
にも関わらず「獅子」の名を冠した星座のα星であるために、物語の世界では勇猛なイメージで語られることも多く、もう目も当てられません。
最初だけ強くて終盤は雑魚、かませ犬、当て馬、4天王の中で最弱、ドラゴンボールだったらピッコロさんやクリリン、ガンダムならララァに「大佐、どいてください!邪魔です!」と言われるシャア…そういった表現が似合う天体だと思います。
また僕の好きな初音ミクさんの曲(とくPさんの曲)でスピカについて歌ったものがあるのですが、デネボラは出てきますが当然のごとくレグルスは登場しません。
さて、そんなに地味で可哀想なレグルスがなぜスピカの後釜に選ばれたのか…真相は阿部酒造さんに聞いてみないとわかりませんが、個人的には星の色が決め手だったのではないかと思います。
うしかい座のアルクトゥールスは等級がマイナスであり、全天の中でも非常に明るい天体のひとつです。(スピカより明るいです)
そんなアルクトゥールスを差し置いて、どうしてレグルスが起用されたのか…その理由は星の色であると考えられます。
アルクトゥールスは赤色巨星であり、肉眼でもややオレンジっぽく見える星です。
対してレグルスは青白い輝きを放ちます。
スピカは「真珠星」の名を冠する強く青白く光る星です。
白麹を使用しているお酒であり、スピカの後継を担う春の一等星として輝きが劣るにも関わらずレグルスが選ばれたのは、やはりその輝きの色によるものであると考察します。
散々レグルスを貶してきましたが最後に明確に表現しておきたいのは、僕は決してレグルスを嫌いではないという点です。
輝きは一等星の中で最も弱くとも、実に魅力的な天体であると思います。なんだか可哀想な境遇も友達が少ない僕としては親近感を覚えますね。
…自分でもびっくりするくらい長々と星について書いてしまいましたが、そろそろお酒を頂くとしましょう。
上立ち香は酸とアルコールが薄っすらと。
日本酒的な香りはほとんど感じられません。
含んでみると…これはなかなか…。
甘味はやや強めと言っても良いかな?他の要素が強く感じづらいが、甘味はあると思います。
その甘味に覆いかぶさってくるのが、柑橘を思わせる強めの酸味。
強いけれど棘はない、甘味をかき消すけれど喧嘩はしない、質の良い酸味ですね。
中盤の旨味の膨らみは程々といったところ。旨味よりも甘酸っぱさの方が目立つ程度。
中盤以降、飲み下すまでの間、渋味や苦味が出てきます。
強さとしてはやや強いながら、棘はなくむしろ爽やかな印象。
終盤まで持続する酸味と合わさり、グレープフルーツっぽい印象です。
後味は無糖のレモン水と似たような感じ。酸でキュッとしまります。
酸味の効いた美味しいお酒でした。
そして春の星座の中ではスピカの名を関するに相応しく、それが叶わないのであればアルクトゥールスよりもレグルスのほうが合っているお酒だと思います。
お酒の味よりも星についてのほうが長くなってしまいましたが、名は体を表すじゃないですけど、名前を理解するのって悪くないことだと思うんです。
星の部分を飛ばして読んだ方も、ぜひ上に戻って読んでもらえると嬉しいです。かなり気合入れて書いてますからね(笑)
あべ REGULUS
阿部酒造株式会社(新潟県)
お気に入り度 8.7/10.0
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